2012年1月13日


C★NOVELS
機動部隊同士の熾烈な消耗戦の末、日米は互いに航空機の支援を失った。米軍は最新鋭の六隻の戦艦を押し立て猛進。迎え撃つ「大和」「武蔵」。空前の日米戦艦決戦! トラック攻防の帰趨は!?
カバー:高荷義之
刊行日:2008/12/20
新書判/248ページ/定価945円(本体900円)
ISBN978-4-12-501058-8 C0293
「攻撃は最大の防御なり」とは、よく聞く言葉だ。
第二次大戦中における日本軍の兵器は、概ねこの兵術思想によって作られていたと言ってよい。
日本軍戦闘機の代表である零式艦上戦闘機などはその典型で、優れた格闘性能と二〇ミリ機銃の大火力を駆使し、自機が撃墜される前に敵機を墜とせばよい、という思想が、その根底にあった。
その反面、防御力は蔑ろにされたため、腕利きの戦闘機乗りたちの多くが戦死し、大戦末期には搭乗員の払底を招いた。
一方の米軍は、航空機であれ、艦艇であれ、防御力重視の思想が見える。
零戦最大のライヴァルだったグラマンF4F、F6Fは、どちらも非常に頑丈な機体で、被弾しても簡単には墜ちなかった。新米のパイロットであっても生き延びられる可能性が高く、経験を積んでベテランに成長することができた。
艦艇にしても、レーダーと連動した対空砲火やVT信管の使用により、突入して来る敵機を投弾前に撃墜するシステムが作られており、多くの艦爆、艦攻、陸攻が、搭乗員と共に犠牲になった。艦艇が被弾した場合でも、ガソリン・ホースから燃料を抜き、即座に消火剤を充填するなど、被害を局限する工夫が随所に見られた。
日本軍の航空部隊は、こういった鉄壁の防御力を持つ米艦隊の前に消耗を重ね、最終的に惨憺たる敗北を招いた。鉄の壁に向かって、繰り返し卵を投げつけるようなものだった、と言える。
米側にこのような言葉があったかどうかは不明だが、「防御は最大の攻撃なり」だったのだ。
では、この鉄壁の防御力に空振りをさせることができないか。米軍が誇る鉄壁の防衛システムのうち、全てとは言わないまでも、一部を遊兵化させることができないか。
「鋼鉄の海嘯」シリーズの後半では、その試みを描いて行く。
近々刊行予定の『南洋争覇戦3』では、そのきっかけが作られ、続く第三部では、それが具現化することとなる。
それが具体的に、どのようなものになるかは、今しばらくの御猶予をいただきたい。
〔横山信義/2008年12月〕