2012年1月13日


C★NOVELS
マリアナ失陥はB29による本土爆撃を招くと知った日本は、絶対国防圏の死守に徹する。一方、米軍は空前の渡洋進攻作戦を発動、ついにサイパン上陸を果たした。密林を揺るがす死闘の決着は!?
カバー:高荷義之
刊行日:2009/2/25
新書判/248ページ/定価945円(本体900円)
ISBN978-4-12-501065-6 C0293
架空戦記では、歴史の改変に伴い、軍艦の運命も大きく変わる。
史実では大戦前半に沈没する艦が、戦争末期まで生き延びたり、逆に激戦に耐えて終戦まで生き残るはずの軍艦が、早々と沈没してしまったりする。
その好例が、ミッドウェー海戦で沈没した四隻の空母「赤城」「加賀」「蒼龍」「飛龍」だ。
現在刊行中のシリーズ『鋼鉄の海嘯』では、ミッドウェー海戦自体が存在しないため、この四隻の空母の運命も変わる。
「赤城」は史実より一〇ヶ月ほど遅く、昭和一八年四月に戦没するが、他の三隻は昭和一九年まで生き残り、大戦後半の苛酷な戦いで戦線を支える大きな力となる。
こういった、史実と異なる運命を辿った艦について筆者が頭を悩ませるのが、艦長の人事だ。
帝国海軍の艦長は一年程度で交替するのが通例であるため、史実より長生きした艦には新しい艦長を配属しなければならない。
逆に、史実では戦没艦と運命を共にしてしまう艦長には、艦を降りた後のポストを考えねばならない。
筆者は過去のシリーズにおいて、次のような方法で人事を決めてきた。
正規空母であれば、昭和一八年から一九年頃における「翔鶴」「瑞鶴」等の艦長を調べ、海軍兵学校の卒業年次を確認する。その上で、その艦長の同期生あるいは一年上級か一年下級の人の中から手頃な人物を選ぶ、というやり方だ。
一方、乗艦が沈没せず史実より長生きした艦の艦長には、昇進と栄転により新しいポストに就ける、というやり方を採っている。
空母の艦長であれば、少将に昇進した後、機動部隊の参謀長や航空戦隊の司令官といった職に就いて貰うことが多い。地上勤務であれば、航空本部の部長職といった仕事も考えられる。
『鋼鉄の海嘯』の第六巻「マリアナ攻防戦」にも、上記の方法で新しい艦長を決めた艦や、新しいポストを得た元艦長が登場する。
誰がどのようなポストを得ているかは、作中で御確認いただきたい。
〔横山信義/2009年2月〕