2012年1月13日


C★NOVELS
対馬への出兵で手薄になった韓国防衛の隙を衝き、主要都市に潜んでいた謎のコマンドが一斉に蜂起。新たなる敵を前に、激闘を繰り広げていた日韓が共闘――!? 人気シリーズ、新章開幕!
カバー:安田忠幸
刊行日:2010/8/25
新書判/232ページ/定価945円(本体900円)
ISBN978-4-12-501119-6 C0293
新章開幕にあたって
「対馬奪還戦争」の続きは? とお思いの皆様にお知らせです。
「対馬奪還戦争」は5巻までで、「半島有事」がその続編となります。
戦場も、戦う相手も大きく変わったため、シリーズ名を改めました。
引き続き、ご愛読いただけますよう、よろしくお願いいたします。(編集部より)
国家に友なし
北朝鮮の後継者がやっと決まってお披露目されました。私が注目したのは、このお披露目に関して、長男であり日本でも馴染みがある金正男氏が、金王朝の世襲に明確に反対したことです。海外での立ち話でのインタビューだったとは言え、これまでの北朝鮮ではあり得ないことです。果たして彼は失脚するのか、それとも亡命するのか、興味が尽きない部分です。
もう一点、後継者のお披露目に合わせて、軍事パレードがありました。新型の弾道弾ミサイルや、北朝鮮の技術力で作れるのだろうかと思えるような移動式のフェイズドアレイ・レーダー等が公開されました。
太平洋戦争が始まった頃、日本社会はまだまだ貧しく、欧米の帝国主義列強とは比ぶべくもない生活レベルでした。しかしながら、軍事技術だけは光るものがあり、しかも軍事工業だけは発達していました。ベースとなる工業力の圧倒的な差で日本は負けるわけですが、今の北朝鮮は、たとえるならあの当時の日本と似たようなものでしょうか。周辺諸国と一戦交えるだけの軍事力だけは維持している。
工業力が全て、文化的生活を営み、平和に暮らせることこそが国力そのものだと信じて邁進して来たわれわれ戦後の日本人から見ると、今の北朝鮮はおよそ受け入れがたく、また信じがたい所です。
しかし、今そこにあるのは現実です。どんな独裁体制も、最後に倒れました。ナチスしかり、ソヴィエトしかり。北朝鮮もいつかは倒れるでしょう。しかし、それが倒れて、2千万もの難民が押し寄せるのは困ると考えて、政権が飢え死にしない程度には援助をしてやろうという豊かな隣国がいる限り、それはだいぶ先のことになるでしょう。少なくとも、北朝鮮国内に、政権を打倒しようという力強い運動でも出てこない限りはとても無理な状況です。
北方領土も竹島も還ってこず、尖閣で中国からは無理難題をふっかけられ、しかも核で恫喝してくるやっかいな独裁者もいる。国家に友なし、あるのは国益のみを如実に感じさせられるのが、今の日本を巡る不運な状況です。
尖閣を巡っては、「毅然として」というフレーズが飛び交いましたが、問題はそう単純ではありません。粛々と地道に、足下を固めましょう。
〔大石英司/2010年8月〕