2012年1月13日


C★NOVELS
カバー:高荷義之
刊行日:2010/5/25
新書判/248ページ/定価945円(本体900円)
ISBN978-4-12-501112-7 C0293
太平洋戦争の後半には、全乗員が未帰還となる「海上の玉砕」とも呼ぶべき最期を遂げた、悲劇的な艦が少なくありませんでした。
ブーゲンビル島沖海戦で沈没した駆逐艦「初風」、レイテ沖海戦で、囮艦隊の一艦となった小型空母「千代田」、同じくレイテ沖海戦で沈没した重巡「鳥海」と「筑摩」、避退中のところを敵の水上部隊に捕捉され、一〇隻以上の敵艦に滅多打ちにされた駆逐艦「初月」「野分」等です。
本シリーズで、須磨四兄弟の次兄秋彦が艦長を務める駆逐艦「山雲」も、そのような艦の一隻でした。
同艦は、西村祥治中将が率いる第二遊撃部隊の所属艦としてレイテ沖海戦に参加し、米駆逐艦の雷撃を受けて誘爆・轟沈するという壮絶な最期を遂げています。
「山雲」を秋彦の乗艦に定めたのは、この悲劇の駆逐艦に「敗者復活戦」の機会を与えたかった、という作者の思い入れによるものです。
〔横山信義/2010年5月〕